割安株とは?2026年の見通しと失敗しにくい探し方|PER・PBR・高配当株を徹底解説

PBR1倍割れと東証の対策|誤解しやすいポイント

東京証券取引所は2023年3月、プライム市場とスタンダード市場の上場企業に対し、資本コストや株価を意識した経営を要請しました。

この要請は、PBR1倍割れ企業に対して、単純に自社株買いや増配によってPBRを1倍以上にするよう求めたものではありません。企業が資本コストと資本収益性を把握し、改善計画を策定し、投資家との対話を通じて中長期的な企業価値を高めることが目的です。

東京証券取引所は2026年4月28日にも要請内容を更新し、経営資源の適切な配分や、投資家との実質的な対話を重視する考え方を示しました。

PBR1倍割れ企業を見る際は、開示を行ったかどうかだけでなく、ROE、事業別の利益率、政策保有株式、現預金、成長投資、自社株買いなどの変化を確認する必要があります。

評価されやすい改善策

  • 収益性の低い事業の縮小や売却
  • 成長事業への研究開発・設備投資
  • 政策保有株式や遊休資産の見直し
  • 配当方針の明確化
  • 余剰資金を利用した自社株買い
  • 資本コストやROE目標の継続的な開示

自社株買いを発表しただけでは、事業の競争力や利益が改善するとは限りません。短期的な株価対策と、中長期的な企業価値向上を分けて確認することが大切です。

割安株の2026年見通し|金利と企業改革に注目

2026年の日本株では、企業の資本効率改善に加えて、金利の変化が割安株の評価を左右する要因になります。日本銀行の公表情報では、補完当座預金制度の適用利率は2026年6月17日以降1.0%となっています。

金利上昇は、銀行など一部の金融機関にとって収益機会になる場合があります。一方、借入金が多い企業では利払い負担が増える可能性があります。高配当でPBRが低くても、有利子負債の多い企業は金利の影響を確認する必要があります。

2026年後半に確認したい材料

  • 企業の業績予想と上方・下方修正
  • 自社株買いと配当方針
  • PBR改善計画の進捗
  • 日本銀行の金融政策
  • 為替変動による輸出企業・輸入企業への影響
  • 米国、中国、欧州の景気動向
  • 原材料費、人件費、金利負担の変化

2026年に割安株全体が上昇する、または特定業種が必ず有利になると断定することはできません。低い株価指標に加えて、企業自身が利益率や資本効率を改善しているかが重要です。

割安株の投資信託はおすすめ?比較するポイント

個別企業の決算や財務を継続的に確認することが難しい場合、複数の割安株へまとめて投資する投資信託やETFが選択肢になります。

ただし、「割安株型」と表示された商品でも、対象市場、銘柄選定方法、運用コスト、銘柄数は異なります。商品名だけで判断せず、目論見書と月次レポートを確認します。

割安株投資信託を比べる4項目

  • 運用方針:PER、PBR、配当、キャッシュフローのどれを重視するか
  • 運用コスト:購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額
  • 分散状況:組入銘柄数と上位銘柄への集中度
  • 実績の比較方法:分配金込みでベンチマークと比較しているか

過去の運用成績が良い商品でも、将来の収益は保証されません。また、分配金が多いことと、運用成績が良いことは同じではありません。分配金を支払うと、その分だけ基準価額が下がる仕組みも理解しておく必要があります。

割安株ジャパン・オープンとは

割安株ジャパン・オープンは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する国内株式型の投資信託です。東京証券取引所プライム市場の上場企業を中心に、企業の適正価値に対して割安と判断される企業へ投資し、配当込みTOPIXをベンチマークとしています。

楽天証券の2026年7月16日時点の掲載情報では、信託報酬を含む管理費用は年率1.782%で、NISAの成長投資枠とつみたて投資枠の対象外と表示されています。取扱状況や費用は販売会社によって異なる場合があるため、購入前に最新の目論見書を確認してください。

アクティブファンドでは、運用担当者が企業分析を行って銘柄を選びます。そのため、市場平均を上回る可能性がある一方、運用判断が期待どおりにならない可能性や、インデックスファンドより費用が高くなる傾向があります。

米国株の割安銘柄を探す方法

米国株でも、PER、PBR、配当利回り、フリーキャッシュフローなどを使って割安株を探せます。ただし、日本企業と米国企業では会計、配当方針、業種構成が異なるため、日本株と同じ数値だけで比較するのは適切ではありません。

米国割安株のスクリーニング条件例

  • 予想PERが同業種の中央値を下回る
  • フリーキャッシュフローが継続的にプラス
  • 営業利益率が急低下していない
  • 負債の返済能力に問題がない
  • 配当を営業キャッシュフローで支払えている
  • 売上高が構造的に減少していない

米国市場には、割安株へ分散投資するETFもあります。例えばVanguard Value ETFは米国の大型割安株、Vanguard S&P 500 Value ETFはS&P 500指数の構成企業のうち、株価純資産倍率、利益と株価の比率、売上高と株価の比率などを用いて選定された企業へ投資します。

これらは商品の例であり、購入を推奨するものではありません。経費率、構成銘柄、為替変動、外国税、売買手数料を確認する必要があります。

割安株の動画を見る際の注意点

割安株の探し方を動画で学ぶ場合は、わかりやすさだけでなく、情報源と公開日を確認しましょう。過去の株価や制度を前提にした動画では、現在の税制、NISA対象商品、証券会社の画面、手数料が変わっている場合があります。

信頼性を確認するチェックポイント

  • 公開日と更新日が明記されているか
  • 企業の決算資料や公的資料を使用しているか
  • 利益が確実に得られるような説明をしていないか
  • 広告、タイアップ、保有銘柄を明示しているか
  • 成功例だけでなく損失の可能性も説明しているか

証券会社が公開するスクリーナーの操作動画は、画面の使い方を確認する用途に適しています。一方、動画内で紹介された銘柄は、公開時点から株価や業績が変わっている可能性があります。

割安株選びの最終チェックリスト

  • 株価が低いだけで割安と判断していないか
  • PERとPBRを同業他社と比較したか
  • 一時的な利益を除いた実力を確認したか
  • 営業キャッシュフローが安定しているか
  • 負債と利払い負担を確認したか
  • 配当の原資と配当性向を確認したか
  • 低評価を見直す具体的な材料があるか
  • 複数の企業や資産へ分散しているか

まとめ|割安株は低PERではなく企業価値で判断する

割安株とは、単に株価やPERが低い株ではなく、利益、資産、キャッシュフロー、成長性などから見た企業価値に対して、市場価格が低いと判断される株式です。

銘柄を探す際は、PER、PBR、配当利回りだけでなく、ROE、財務、営業キャッシュフロー、利益の安定性を組み合わせて確認する必要があります。特に高配当株や半導体株では、一時的な利益や景気循環によって指標が割安に見えることがあります。

2026年は、東京証券取引所による資本効率改善の取り組みと金利環境が、割安株の評価に影響する可能性があります。ただし、PBR1倍割れというだけで株価の上昇が保証されるわけではありません。

ランキングやスクリーニングは候補を絞るための入口です。最終的には決算短信、有価証券報告書、適時開示、企業の改善策を確認し、低評価の理由と評価が変わる条件を明確にすることが大切です。

本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の株式、投資信託、ETFの購入、売却、保有を推奨するものではありません。株価、配当、金利、制度、商品情報は変更される可能性があります。投資判断は最新の公式資料を確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。

<参考サイト>
日本取引所グループ / 東京証券取引所 / 金融庁 / 日本銀行 / 日本証券業協会・J-FLEC / 三菱UFJアセットマネジメント / 楽天証券 / SBI証券 / Investor.gov / FINRA / Vanguard