割安株は、利益や資産、将来の収益力などに比べて株価が低いと判断される株式です。ただし、PERやPBRが低いという理由だけで購入すると、業績悪化によって安値が続く「バリュートラップ」に陥ることがあります。本記事では、割安株の意味、最新ランキングの見方、スクリーニング条件、高配当株や成長株との違い、半導体株の注意点、投資信託、米国株、景気サイクルと買い時まで、2026年7月17日時点の公開情報を基にわかりやすく解説します。

最終ファクトチェック日:2026年7月17日
この記事の目次
- 割安株とは何かをわかりやすく解説
- 割安株ランキングの正しい見方
- PER・PBR・配当利回りなどの重要指標
- 割安株を見つけるスクリーニング条件
- 高配当株・成長株・半導体株との違い
- バリュートラップを回避する確認方法
- 東証のPBR1倍割れ対策と2026年の見通し
- 投資信託・米国株・動画を選ぶ際の注意点
割安株とは?株価が安い株との違い
割安株とは、企業が保有する資産、利益、キャッシュフロー、将来性などから推定される企業価値に対して、現在の株価が低いと判断される株式です。英語では「バリュー株」または「Value Stock」と呼ばれます。
株価が500円だから割安で、株価が1万円だから割高という意味ではありません。株価の絶対額ではなく、企業が1株当たりに生み出す利益や保有する純資産と比較して判断します。
例えば、同じ株価1,000円の企業でも、1株利益が100円ならPERは10倍、1株利益が20円ならPERは50倍です。株価だけを見ると同じですが、利益に対する評価は大きく異なります。
市場価格と企業価値は同じではない
市場価格は、株式市場で買い手と売り手が合意した現在の価格です。一方、企業価値は利益、資産、負債、成長率、金利などを基に評価されます。企業価値の推定方法によって結果が変わるため、割安かどうかを完全に客観的な1つの数字で確定することはできません。
割安株投資では、市場が企業の価値を過小評価しており、業績改善や株主還元、事業再編などをきっかけに評価が見直される可能性を考えます。ただし、市場が低く評価していることに合理的な理由がある場合もあります。
割安株ランキング最新版を見る前に知っておきたいこと
割安株ランキングは、株価や会社予想が変わるたびに順位が入れ替わります。前日の株価を基にしたランキングでも、決算発表、業績修正、配当予想の変更によって指標が大きく変化します。
そのため、固定された銘柄名だけを見るのではなく、ランキングが何の数値を基準にしているかを確認することが重要です。
ランキングで確認したい5つの項目
- データの更新日:株価と業績予想がいつの情報か
- ランキング基準:PER、PBR、配当利回りなど何で並べたか
- 対象市場:東証プライム、スタンダード、グロースのどこを含むか
- 赤字企業の扱い:利益がマイナスの企業を除外しているか
- 特別配当の扱い:一時的な配当を通常配当として計算していないか
配当利回りの上位銘柄だけを並べたランキングでは、減配予想がまだ反映されていない場合があります。また、PBRが低い企業でも、保有資産の価値低下や低収益が続いていれば、必ずしも割安とは限りません。
自分で作る割安株ランキングの採点例
| 評価項目 | 配点例 | 主な確認内容 |
|---|---|---|
| 株価の割安性 | 30点 | PER・PBR・EV/EBITDAを同業他社と比較 |
| 財務の健全性 | 20点 | 自己資本比率、有利子負債、手元資金 |
| 利益の安定性 | 20点 | 売上高、営業利益、営業キャッシュフロー |
| 株主還元 | 15点 | 配当方針、配当性向、自社株買い |
| 評価見直しの材料 | 15点 | 事業再編、資本効率改善、新規事業 |
このように複数の項目を採点すると、単にPERが低いだけの企業と、財務や業績も安定している企業を分けやすくなります。
割安株の指標|PERとPBRだけでは足りない
PERは利益に対して株価が何倍かを示す
PERは「株価収益率」と呼ばれ、次の式で計算します。
PER=株価÷1株当たり利益
株価が1,500円、1株当たり利益が150円ならPERは10倍です。一般にPERが低いほど利益に対して株価が低いと考えられますが、適切な水準は業種や成長率によって異なります。
銀行、商社、製造業、情報通信などを同じPERだけで比較するのは適切ではありません。まず同業他社や、その企業自身の過去のPERと比べる必要があります。
PBRは純資産に対して株価が何倍かを示す
PBRは「株価純資産倍率」と呼ばれ、次の式で計算します。
PBR=株価÷1株当たり純資産
PBR1倍は、株価と1株当たり純資産が同じ水準であることを示します。ただし、PBR1倍割れは必ずしも解散時に利益が出ることを意味しません。帳簿上の資産が同じ金額で売却できる保証はなく、事業を終了する際には費用も発生します。
ブランド、ソフトウェア、顧客基盤などの無形資産が重要な企業では、帳簿上の純資産だけで価値を測りにくい点にも注意が必要です。
ROEで資本を利益に変える力を見る
ROEは、株主が出資した資本を使って、企業がどれだけ利益を生み出したかを表す指標です。
ROE=当期純利益÷自己資本×100
PBRが低くてもROEが長期間低い企業は、保有する資産を十分に利益へ変えられていない可能性があります。反対に、PBRが多少高くても、安定して高いROEを維持する企業は市場から高く評価されることがあります。
配当利回りは配当金と株価の関係を表す
予想配当利回りは、次の式で計算します。
予想配当利回り=1株当たり年間予想配当金÷株価×100
株価1,000円、年間予想配当金40円なら、予想配当利回りは4%です。ただし、会社の業績が悪化して配当予想が引き下げられれば、購入時に想定した配当を受け取れない場合があります。
低PERや高配当だけで選ぶと、業績悪化を見落とすことがあります。次のページでは、実際に使えるスクリーニング条件とバリュートラップの回避方法を解説します。


