MSCI ACWIは、先進国と新興国の株式市場をまとめて表す代表的な全世界株式指数です。しかし、世界中のすべての企業を均等に組み入れているわけではなく、米国株や大型テクノロジー企業の影響を強く受けます。また、チャートを見る際は、配当の扱い、表示通貨、指数と連動商品の違いを確認しなければ、利回りや運用成績を正しく比較できません。本記事では、2026年7月21日時点のMSCI、BlackRock、SBI証券などの公表情報を基に、構成国、日本株の割合、主要銘柄、30年チャートの注意点、MSCI Kokusaiや除く日本指数との違いまで整理します。
この記事の主な内容
- MSCI ACWIの意味と基本的な仕組み
- 2026年の構成国・構成銘柄・業種割合
- 米国株と日本株が占める割合
- MSCI ACWIのチャートと過去の推移
- 30年チャートを見る際の注意点
- MSCI World・MSCI Kokusaiとの違い
- MSCI ACWI除く日本との違い
- 全世界株式型投資信託との関係
- iShares MSCI ACWI ETFの特徴
- SBI証券で取引する場合の確認事項
- 利回り・配当利回り・トータルリターンの違い
MSCI ACWIとは?
MSCI ACWIは、「MSCI All Country World Index」の略称です。日本語では「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と呼ばれます。
先進国と新興国の大型株・中型株で構成され、世界の投資可能な株式市場の約85%をカバーするよう設計されています。
| 項目 | 2026年6月30日時点の概要 |
|---|---|
| 指数算出会社 | MSCI |
| 対象市場 | 先進国23市場・新興国24市場 |
| 構成銘柄数 | 2461銘柄 |
| 対象企業 | 大型株・中型株 |
| 市場カバー率 | 世界の投資可能株式の約85% |
| 加重方法 | 浮動株調整後の時価総額加重 |
| 指数市場規模 | 約101.47兆ドル |
「浮動株調整後の時価総額加重」とは、市場で実際に売買可能と考えられる株式数を基に時価総額を計算し、規模の大きな企業ほど指数内の割合を高くする方法です。
世界各国を同じ割合で保有する指数ではありません。株式市場の規模が大きい米国や、大型企業の値動きが指数全体へ強く反映されます。
ACWIの読み方
ACWIは、日本では「アクウィ」「アクウィー」などと読まれることがあります。金融機関の資料では、アルファベットのまま「MSCI ACWI」と表記されるのが一般的です。
指数そのものを直接購入することはできない
MSCI ACWIは、市場の動きを数値化するための指数です。指数自体を直接購入することはできません。
実際に投資する場合は、MSCI ACWIへの連動を目指す投資信託やETFを購入します。指数と金融商品は別のものであり、信託報酬、売買費用、税金、現金保有、銘柄の組入時期などによって運用結果に差が生じます。
MSCI ACWIの構成国
2026年6月末時点のMSCI ACWIは、先進国23市場と新興国24市場の合計47市場で構成されています。
先進国23市場
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- カナダ
- デンマーク
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- 香港
- アイルランド
- イスラエル
- イタリア
- 日本
- オランダ
- ニュージーランド
- ノルウェー
- ポルトガル
- シンガポール
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- 英国
- 米国
新興国24市場
- ブラジル
- チリ
- 中国
- コロンビア
- チェコ
- エジプト
- ギリシャ
- ハンガリー
- インド
- インドネシア
- 韓国
- クウェート
- マレーシア
- メキシコ
- ペルー
- フィリピン
- ポーランド
- カタール
- サウジアラビア
- 南アフリカ
- 台湾
- タイ
- トルコ
- アラブ首長国連邦
国や地域の分類は固定ではありません。市場へのアクセス、経済発展、流動性、制度などを基にMSCIが見直すため、将来は構成市場が変更される可能性があります。
MSCI ACWIの国別割合
2026年6月30日時点の主な国・地域別割合は次のとおりです。
| 国・地域 | 指数内の割合 |
|---|---|
| 米国 | 63.63% |
| 日本 | 5.00% |
| 台湾 | 3.33% |
| 英国 | 3.03% |
| カナダ | 2.93% |
| その他 | 22.08% |
47市場へ分散していても、指数の6割以上を米国株が占めています。そのため、MSCI ACWIの値動きは、米国の株価、金利、企業業績、為替などの影響を強く受けます。
日本株の割合は約5%
2026年6月末時点で、日本株の割合は5.00%です。日本の投資家がMSCI ACWI連動商品を購入した場合も、一定割合の日本株を保有することになります。
別に日本株型投資信託や日本の個別株を保有している場合、資産全体では日本株の比率が高くなる可能性があります。
反対に、日本株をMSCI ACWIの構成比より多く保有したい場合は、日本株商品を別に組み合わせる方法があります。ただし、どの割合が適切かは投資目的やリスク許容度によって異なります。
MSCI ACWIの構成銘柄
2026年6月30日時点の構成銘柄数は2461銘柄です。主な上位銘柄は次のとおりです。
| 順位 | 銘柄 | 国・地域 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 米国 | 4.55% |
| 2 | Apple | 米国 | 4.19% |
| 3 | Microsoft | 米国 | 2.59% |
| 4 | Amazon.com | 米国 | 2.27% |
| 5 | Alphabet A | 米国 | 2.05% |
| 6 | Taiwan Semiconductor Manufacturing | 台湾 | 1.84% |
| 7 | Broadcom | 米国 | 1.67% |
| 8 | Alphabet C | 米国 | 1.61% |
| 9 | Micron Technology | 米国 | 1.28% |
| 10 | Meta Platforms A | 米国 | 1.22% |
上位10銘柄の合計割合は23.28%です。約2500銘柄で構成されていても、上位の巨大企業が指数へ与える影響は小さくありません。
構成銘柄と割合は株価や株式数の変化、指数レビューによって変動します。固定された銘柄を永久に保有する指数ではありません。
MSCI ACWIの業種割合
| 業種 | 構成比 |
|---|---|
| 情報技術 | 32.09% |
| 金融 | 16.18% |
| 資本財・産業 | 11.04% |
| 一般消費財 | 8.70% |
| ヘルスケア | 8.27% |
| コミュニケーション・サービス | 7.82% |
| 生活必需品 | 4.72% |
| 素材 | 3.56% |
| エネルギー | 3.53% |
| 公益事業 | 2.51% |
| 不動産 | 1.59% |
情報技術が3割を超えているため、半導体やソフトウェアなどの大型企業が下落すると、指数全体も影響を受けやすくなります。
世界へ分散されていることと、国・業種・銘柄が均等に分散されていることは同じではありません。
構成銘柄はいつ見直される?
MSCIのグローバル株式指数は、通常、2月・5月・8月・11月のレビューを通じて構成銘柄や株式数などが見直されます。
企業の時価総額、浮動株比率、市場の流動性、外国人投資家が購入できる割合などが変われば、銘柄の追加・除外や構成比の変更が行われる場合があります。
投資信託やETFは、指数変更に合わせて保有銘柄を売買します。売買の時期や方法によって、指数と実際のファンドの運用成績に小さな差が生じることがあります。
MSCI ACWIのチャートは、配当・通貨・指数の種類を変えるだけで結果が異なります。30年推移を正しく比較するポイントは次のページへ。


