MSCI ACWIのチャートと推移
MSCIが公表した2026年6月末のファクトシートでは、2011年6月から2026年6月までの米ドル建て・配当控除後再投資ベースの推移が掲載されています。
同期間では長期的に上昇していますが、途中には複数の大きな下落があります。
- 欧州債務問題などによる下落
- 2018年の世界的な株価調整
- 2020年の感染症拡大時の急落
- 2022年のインフレ・金利上昇局面
- 地域紛争や政策変更に伴う変動
長期チャートが右肩上がりに見えても、途中の損失が小さいとは限りません。MSCIの2026年6月末資料では、2007年10月31日から2009年3月9日までの最大下落率は58.38%とされています。
近年の年間騰落率
| 年 | MSCI ACWIの年間リターン |
|---|---|
| 2021年 | 18.54% |
| 2022年 | -18.36% |
| 2023年 | 22.20% |
| 2024年 | 17.49% |
| 2025年 | 22.34% |
| 2026年1月から6月 | 11.25% |
数値は米ドル建てのネットリターンです。円で投資する日本の投資家の収益率は、ドル円などの為替変動によって異なります。
MSCI ACWIの30年チャートを見る際の注意点
30年チャートを表示するサービスもありますが、MSCI ACWIは2001年1月1日に正式に算出開始された指数です。
指数開始前までさかのぼるデータを使用する場合、当時の銘柄や市場データを基に「指数が存在していたと仮定して計算したバックテスト値」が含まれることがあります。
バックテストは実際のファンド運用成績ではありません。売買費用、税金、資金流出入、市場での約定など、現実の運用条件を完全に再現するものではないため、実績値と区別して確認する必要があります。
チャートで確認する4つの条件
- 表示通貨:米ドル、円、ユーロなど
- 配当の扱い:価格指数、グロスリターン、ネットリターン
- 為替ヘッジ:あり・なし
- 指数か商品か:MSCI ACWI指数、ETF、投資信託
価格指数
株価の値動きを中心に計算し、配当の再投資を含まない指数です。長期チャートでは、配当込み指数より上昇率が低くなる傾向があります。
グロスリターン指数
構成企業の配当を税引前で再投資したと仮定する指数です。
ネットリターン指数
配当から一定の源泉税を控除した後に再投資したと仮定する指数です。日本の全世界株式型投資信託では、ネットリターン指数をベンチマークとする商品が多くあります。
円換算チャート
米ドル建て指数を円へ換算したチャートでは、世界株価に加えて為替の影響が反映されます。
- 円安になると、円換算の評価額を押し上げる方向に働く
- 円高になると、円換算の評価額を押し下げる方向に働く
米ドル建てでは下落していても、円安によって円換算では上昇する場合があります。反対の動きも起こります。
MSCI ACWIの長期リターン
2026年6月30日時点でMSCIが公表した米ドル建てネットリターンは次のとおりです。
| 期間 | 年率換算リターン |
|---|---|
| 過去3年 | 19.70% |
| 過去5年 | 10.98% |
| 過去10年 | 12.78% |
| 2000年12月29日以降 | 7.42% |
過去の年率リターンは、将来の収益率を示すものではありません。計算開始日や終了日が変われば数値も変わります。
特に、株価が大きく下落した直後から計算する場合と、高値から計算する場合では、同じ期間の平均リターンでも結果が大きく異なります。
MSCI ACWIとMSCI Worldの違い
| 比較項目 | MSCI ACWI | MSCI World |
|---|---|---|
| 先進国 | 含む | 含む |
| 新興国 | 含む | 含まない |
| 日本株 | 含む | 含む |
| 対象 | 47市場の大型・中型株 | 先進国23市場の大型・中型株 |
MSCI Worldは名称に「World」とありますが、新興国は含みません。中国、インド、台湾、韓国などの新興国株式も保有したい場合は、MSCI ACWIの方が対象範囲は広くなります。
ただし、MSCI ACWIでも新興国の割合は市場規模に応じて決まり、先進国と新興国を同じ比率で保有するわけではありません。
MSCI Kokusaiとは?
MSCI Kokusai Indexは、MSCI World Indexから日本を除いた指数です。「MSCI World ex Japan Index」とも呼ばれます。
2026年6月末時点では、22の先進国市場に属する大型株・中型株1115銘柄で構成されています。
| 指数 | 日本 | 新興国 |
|---|---|---|
| MSCI ACWI | 含む | 含む |
| MSCI World | 含む | 含まない |
| MSCI Kokusai | 含まない | 含まない |
| MSCI ACWI ex Japan | 含まない | 含む |
日本の年金や投資信託では、外国先進国株式のベンチマークとしてMSCI Kokusaiが使われる場合があります。
MSCI ACWI除く日本とは?
MSCI ACWI ex Japanは、MSCI ACWIから日本株を除いた指数です。
22の先進国市場と24の新興国市場の大型株・中型株で構成され、日本以外の投資可能株式市場の約85%をカバーします。
MSCI Kokusaiとの違い
どちらも日本株を含みませんが、新興国の有無が異なります。
- MSCI Kokusai:日本を除く先進国のみ
- MSCI ACWI ex Japan:日本を除く先進国と新興国
日本株を別の商品で保有し、外国株式だけを追加する場合に、除く日本指数が使われることがあります。
MSCI ACWI IMIとの違い
MSCI ACWIは大型株と中型株を対象とし、世界の投資可能株式市場の約85%をカバーします。
MSCI ACWI IMIは大型株・中型株に加えて小型株も対象とし、より広い市場をカバーする指数です。
| 指数 | 対象規模 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| MSCI ACWI | 大型株・中型株 | 世界市場の約85%をカバー |
| MSCI ACWI IMI | 大型株・中型株・小型株 | 小型企業を含む、より広い指数 |
小型株を含む方が必ず高い収益になるわけではありません。銘柄数、値動き、取引費用、連動商品の信託報酬なども異なります。
MSCI ACWIとS&P500の違い
| 比較項目 | MSCI ACWI | S&P500 |
|---|---|---|
| 地域 | 先進国・新興国 | 米国 |
| 銘柄数 | 約2500銘柄 | 約500銘柄 |
| 日本株 | 含む | 含まない |
| 新興国株 | 含む | 含まない |
| 主な特徴 | 世界市場へ広く分散 | 米国の主要大型企業へ集中 |
MSCI ACWIにも米国株が6割以上含まれるため、両指数の上位銘柄には重複があります。両方へ投資すると、米国大型株の割合がさらに高くなる可能性があります。
MSCI ACWIと全世界株式型投資信託は同じものではありません。ETFの利回りやSBI証券で確認すべき費用は次のページへ。


