ドルコスト平均法とは?計算方法・一括投資との違い・毎日と毎月の選び方を徹底解説

ドルコスト平均法とは、価格が上がっても下がっても、あらかじめ決めた金額を一定の間隔で投資し続ける方法です。積立投資と相性がよい一方、必ず利益が出る仕組みではなく、相場が上昇し続ける場面では一括投資より不利になることもあります。本記事では、2026年7月21日時点の金融庁、金融経済教育推進機構、米国の投資者向け公的資料などを基に、計算方法、メリットとデメリット、NISA、暴落時の対応、毎日と毎月の違い、出口戦略までわかりやすく整理します。

定期的な積立投資とドルコスト平均法を計算するイメージ

この記事の主な内容

  • ドルコスト平均法の意味と名前の由来
  • りんごやガソリンで理解する簡単な仕組み
  • 平均購入単価の計算方法
  • 積立NISAとの関係と始め方
  • 一括投資と積立投資の違い
  • 意味がないといわれる理由
  • 毎日積立と毎月積立の選び方
  • 暴落時の買い増しで注意すること
  • 金・FX・暗号資産で利用する場合のリスク
  • 積立終了後の出口戦略

ドルコスト平均法とは?一定金額を定期的に投資する方法

ドルコスト平均法は、価格にかかわらず、同じ金額を一定の間隔で投資する方法です。英語ではDollar-Cost Averaging、略してDCAと表記されます。

例えば、毎月1万円を同じ投資信託へ積み立てるとします。基準価額が高い月には購入できる口数が少なくなり、基準価額が低い月には多くの口数を購入できます。

  • 価格が高いとき:少ない数量を買う
  • 価格が低いとき:多い数量を買う
  • 価格を予想せず、決めた日程で購入を続ける

購入時期を複数回に分けることで、特定の日に全額を投資するリスクを避けやすくなります。ただし、損失をなくす方法でも、平均購入単価を必ず下げる方法でもありません。

積立投資とドルコスト平均法は同じ?

積立投資は、資金を定期的に投資する行為全般を指します。そのうち、毎回同じ金額を投資する方法がドルコスト平均法です。

毎月100口ずつ買うように、金額ではなく数量を固定する方法は「定量購入」です。価格が上昇すると投資金額も増えるため、ドルコスト平均法とは仕組みが異なります。

購入方法 固定するもの 価格が下がったとき
ドルコスト平均法 投資金額 購入数量が増える
定量購入 購入数量 投資金額が減る
一括投資 最初に全額を投資 追加購入しなければ数量は変わらない

ドルコスト平均法の名前の由来

「ドル」は米ドルを表し、「コスト・アベレージング」は取得費用を平均化する考え方を表します。米国で、毎月または一定期間ごとに同額のドルを投資する方法として広まったため、この名称が使われています。

日本円で投資する場合も「ドルコスト平均法」と呼ばれます。米ドル建ての商品へ投資する方法という意味ではありません。

20世紀半ばには、投資家ベンジャミン・グレアムの著書でも、毎月または四半期ごとに同額を株式へ投資する方法が説明されていました。ただし、誰が最初に名称を作ったのかについて、信頼できる資料で統一された結論があるわけではありません。

りんごでわかるドルコスト平均法

投資をりんごの購入に置き換えると、仕組みを簡単に理解できます。毎回600円分のりんごを買うとします。

購入回 りんご1個の価格 購入金額 購入個数
1回目 100円 600円 6個
2回目 200円 600円 3個
3回目 50円 600円 12個

合計1800円で21個を購入したため、1個当たりの平均購入価格は次のとおりです。

1800円 ÷ 21個 = 約85.71円

3回の価格を単純平均すると約116.67円ですが、定額購入では安いときに多く買うため、実際の平均購入価格は約85.71円になりました。

ただし、4回目以降もりんごの価格が下がり続ければ、購入価格を平均化しても保有資産の評価額は減ります。「平均購入価格が下がること」と「利益が出ること」は別です。

ガソリンで理解する定額購入

毎回5000円分のガソリンを給油する場合も、ドルコスト平均法と似た動きになります。

給油回 1L当たり価格 支払額 給油量
1回目 150円 5000円 約33.33L
2回目 180円 5000円 約27.78L
3回目 130円 5000円 約38.46L

合計15000円で約99.57Lを購入したため、平均価格は約150.65円です。

ガソリン価格の単純平均は約153.33円ですが、安いときに給油量が増えた結果、実際の平均単価はそれより低くなります。

投資では購入した金融商品を後で売却します。ガソリンやりんごの例と異なり、購入後の市場価格によって利益や損失が発生する点には注意が必要です。

ドルコスト平均法の計算方法

基本的な計算式は次のとおりです。

各回の購入数量 = 各回の投資金額 ÷ 各回の価格

平均購入単価 = 投資金額の合計 ÷ 購入数量の合計

投資信託を毎月1万円購入する計算例

投資信託の基準価額は、一般に1万口当たりで表示されます。手数料を考慮しない場合、購入口数は次の式で計算できます。

購入口数 = 投資金額 ÷ 基準価額 × 10000

基準価額 投資金額 購入口数
1月 10000円 10000円 10000口
2月 12500円 10000円 8000口
3月 8000円 10000円 12500口
4月 10000円 10000円 10000口

投資金額の合計は40000円、購入口数の合計は40500口です。

40000円 ÷ 40500口 × 10000 = 約9876.54円

1万口当たりの平均購入単価は約9876.54円です。4月時点の基準価額が10000円なら、評価額は40500円となります。

これは計算方法を示す架空の例です。実際には信託報酬、購入時手数料、税金、約定日と申込日の違いなどが影響します。

ドルコスト平均法と積立NISAの関係

旧つみたてNISAは2023年末で新規買付けを終了しました。2024年からのNISAには「つみたて投資枠」が設けられ、一定の投資信託を定期的に購入できます。

2026年7月時点の成人向けNISAでは、つみたて投資枠の年間投資上限は120万円です。成長投資枠の年間240万円と併用でき、非課税保有限度額は合計1800万円です。そのうち成長投資枠で利用できる上限は1200万円となります。

NISAは税制上の口座であり、ドルコスト平均法は購入方法です。両者は同じものではありません。

  • NISA:運用益や分配金などを非課税にする制度
  • ドルコスト平均法:一定額を定期購入する方法

NISA以外の特定口座や一般口座でも、金融機関が対応していればドルコスト平均法による積立投資を行えます。

NISAなら損をしないわけではない

NISAで非課税になるのは利益が出た場合の税金です。投資した商品の価格が下落すれば、NISA口座でも元本割れが起こります。

また、NISA口座で生じた損失は、課税口座の利益との損益通算や、損失の繰越控除に利用できません。

積立なら一括投資より安全で有利とは限りません。値動きごとに結果が逆転する理由は次のページへ。