MBOが発表されると株価はどうなる?
保有株でMBOが発表されたとき、最も気になるのが「mbo 株価 どうなる」という点でしょう。
上場企業を非公開化するMBOでは、TOB価格が発表直前の市場株価を上回る価格に設定されるケースが多く、その場合、MBO発表後の市場株価もTOB価格に近づく方向へ大きく上昇することがあります。
ただし、MBOが発表されれば必ず株価が上昇するという保証はありません。
なぜTOB価格と市場株価が近づくのか
たとえば、MBO発表前に株価が1,000円だった会社について、「1株1,400円でTOBを実施する」と発表されたと仮定します。
TOBが予定どおり成立すると市場参加者が考えれば、1,000円で株式を売却する合理性は小さくなるため、市場価格は1,400円に近づきやすくなります。
一方で、市場価格が必ずTOB価格と完全に一致するわけではありません。
TOB価格より少し低い株価になることがある理由
市場では、次のような要因が考慮されます。
- TOBが不成立となる可能性
- TOB決済まで一定期間待つ必要があること
- MBOの前提条件が満たされない可能性
- 市場で直ちに現金化できることとの違い
こうした事情から、TOB期間中の市場価格がTOB価格をわずかに下回って推移する場合があります。
逆にTOB価格を上回る場合もある
市場価格がTOB価格を上回るケースもあります。
たとえば市場参加者が、
- 別の買収候補が現れる可能性
- 買付価格が引き上げられる可能性
- 競合する買収提案が出る可能性
などを意識している場合です。
しかし、価格引き上げや対抗提案が実際に行われる保証はありません。TOB価格より高い価格で株式を取得すると、最終的な買付価格が引き上げられなかった場合に損失が発生する可能性があります。
TOBが不成立なら株価が下落することもある
買付予定数の下限が設定されているTOBでは、応募株式数が下限に達しなければTOBが成立しないことがあります。
MBO発表によってTOB価格を意識して上昇していた株式でTOBが不成立となれば、その価格を支えていた前提がなくなるため、株価が大きく変動する可能性があります。
「MBO発表=TOB価格で必ず売却できる」と決めつけないことが重要です。
MBOで上場廃止になるまでの一般的な流れ
上場企業を完全に非公開化するMBOでは、おおむね次のような流れになります。
- 会社がMBOへの賛同やTOBへの意見を公表
- 公開買付者がTOBを開始
- 株主がTOBへの応募を判断
- TOB期間が終了
- 応募株式数などの条件を満たせばTOB成立
- 残った一般株主に対するスクイーズアウト手続
- 東京証券取引所などで整理銘柄に指定
- 上場廃止
ただし、案件ごとに手続は異なります。TOBが成立した瞬間に必ず上場廃止になるわけではありません。
MBOをしたら必ず上場廃止になる?
MBOという言葉そのものに「必ず上場廃止」という意味はありません。
ただし、日本で上場企業のMBOとして公表される案件では、全株式を取得して非公開化することを目的としているケースが多くあります。
上場廃止を予定している案件では、会社の「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」などに、上場廃止を予定していることや、TOB成立後に実施する手続が記載されています。
MBOでTOBに応募しなかった株はどうなる?
「TOBに応募しなかったら株が突然ゼロになる」と考える必要はありません。
非公開化を目的としたMBOでTOB成立後も一般株主が残った場合、公開買付者は株式併合などを利用して、残った少数株主から株式を取得するスクイーズアウトを実施することがあります。
日本取引所グループも、公開買付けに応募せず保有株式が上場廃止となるケースについて、一般的にはスクイーズアウト手続の一環として、保有株式に対して現金が交付されるケースが多いと案内しています。
スクイーズアウトとは?
スクイーズアウトとは、買収者が残りの少数株主の株式を取得し、株主構成を整理する手続の総称です。
MBOでは、株式併合などが利用されることがあります。
たとえば一定の比率で株式を併合し、一般株主が保有する株式を1株未満の端数とする方法です。端数について所定の法的手続を行い、最終的に金銭を交付することで一般株主が退出する形になります。
案件によって具体的な手続や支払時期は異なるため、会社が公表する資料を確認する必要があります。
MBOが既存株主に与える影響
選択肢1:TOBに応募する
公開買付者が提示した価格で保有株を売却する方法です。
TOBには公開買付期間が定められています。また、公開買付代理人となる証券会社で所定の手続が必要になる場合があります。
選択肢2:市場で売却する
上場している期間であれば、通常の株式と同様、市場で売却できる期間があります。
ただし、市場価格はTOB価格と同じとは限りません。売却時の市場価格とTOB価格を比較する必要があります。
選択肢3:売却せず保有する
非公開化を目的としたMBOが成立し、スクイーズアウトまで進めば、TOBに応募しなかった株主についても最終的に株式を保有し続けられなくなることがあります。
その場合、所定の手続を経て金銭が交付されることが一般的ですが、支払いの時期や具体的な条件は案件によって異なります。
上場廃止後は市場で自由に売買できない
東京証券取引所から上場廃止となれば、その株式を同取引所で通常の上場株式と同じように売買することはできません。
そのため、「いつか株価がもっと上がるかもしれないから、上場廃止後も証券取引所で持ち続けて売却しよう」という方法は取れなくなります。
税務上の取扱いについても、通常の市場売却、TOBへの応募、スクイーズアウトによる金銭交付では確認すべき事項が異なる場合があります。個別の税務判断が必要な場合は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。


