トランプ口座とRobinhoodの関係は?
トランプ口座では、米国の金融サービス企業であるRobinhoodが、証券取引基盤の提供者と初期の受託者を務めています。BNYは米国財務省が選定した金融エージェントとして、制度の運営を支えています。
Robinhoodは主に、次の業務を担当します。
- 口座を管理するためのシステム開発
- スマートフォン向けアプリとウェブ画面の提供
- 拠出金の受け付けと証券取引の処理
- 残高や運用状況を確認する機能の提供
- 利用者向けサポートと金融教育コンテンツの提供
トランプ口座は、Robinhoodの一般的な証券口座へ自由に銘柄を追加する仕組みではありません。米国財務省の管理下にある独立した口座であり、投資できる商品は法律と財務省の基準を満たすファンドに限定されます。
S&P500へ自動運用される仕組み
制度開始時点では、トランプ口座に入った資金は、原則としてState Street SPDR Portfolio S&P 500 ETFのSPYMへ自動的に投資されます。
SPYMは、米国の代表的な株価指数であるS&P500への連動を目指すETFです。S&P500には米国の大企業を中心とする約500社が含まれています。
政府の1000ドル、親や親族による入金、勤務先からの拠出などは、口座に入った後、初期設定ではSPYMの購入に使われます。預金として1000ドルが固定されるわけではないため、株式市場が下落すれば口座残高も減少する可能性があります。
利益が保証される制度ではない
S&P500は幅広い米国企業へ分散投資できる指数ですが、元本保証はありません。運用期間中には、景気後退、企業業績、金利、インフレ、国際情勢などの影響によって価格が変動します。
長期間運用できることは値動きの影響を平準化する助けになる場合がありますが、18歳時点で必ず1000ドルを上回ることや、一定の運用益を得られることは保証されていません。
トランプ口座の対象ファンド
成長期間中に投資できる商品は、主に米国企業で構成される指数へ連動する投資信託またはETFに限定されます。対象商品は、原則として次の基準を満たす必要があります。
- 主に米国企業で構成される適格な指数へ連動する
- レバレッジを使用しない
- 年間の費用が投資残高の0.1%以下である
- 米国財務省が定める追加基準を満たす
米国財務省は、初期の対象商品として次のETFを公表しています。
| 銘柄コード | ファンド名 | 主な対象 |
|---|---|---|
| SPYM | State Street SPDR Portfolio S&P 500 ETF | S&P500 |
| IVV | iShares Core S&P 500 ETF | S&P500 |
| VTI | Vanguard Total Stock Market ETF | 米国株式市場全体 |
| SPTM | State Street SPDR Portfolio S&P 1500 Composite Stock Market ETF | S&P1500 |
| ITOT | iShares Core S&P Total U.S. Stock Market ETF | 米国株式市場全体 |
2026年7月の制度開始時はSPYMが初期設定の投資先です。米国財務省は、今後、保護者などが追加の対象ファンドへ配分を変更できる機能を提供する方針を示しています。ただし、利用できる時期は公式発表で確認する必要があります。
親の追加積立は年間いくらまで?
成長期間中、親、祖父母、親族、友人、子ども本人、勤務先などが追加で拠出できます。一般的な拠出の合計上限は、1人の子どもにつき年間5000ドルです。
5000ドルは出資者ごとの上限ではありません。例えば、親が年間4000ドルを入れ、祖父母が1000ドルを入れた場合、通常の年間枠を使い切ることになります。
勤務先の拠出は年間2500ドルまで
勤務先は、制度の要件を満たすプログラムを通じて、従業員本人または扶養家族のトランプ口座へ年間2500ドルまで拠出できます。
ただし、勤務先の2500ドルは通常の年間5000ドル枠に含まれます。勤務先が2500ドルを拠出した場合、親族などが通常の枠で追加できる金額は、原則として残り2500ドルです。
年間5000ドルと勤務先の2500ドルは、2027年より後に物価変動に応じて調整される予定です。
1000ドルは年間5000ドル枠に含まれない
米国財務省による1回限りの1000ドルは、一般的な年間5000ドル枠には含まれません。また、州政府、自治体、米国政府、先住民政府、一定の非営利団体による適格な集団向け拠出や、口座間の適格な移管も、一般的な年間上限の対象外です。
寄付と財源の仕組み
トランプ口座には、大きく分けて政府拠出と民間などによる追加拠出があります。
政府の1000ドル
1000ドルは、法律で設けられた試行プログラムに基づき、米国財務省が対象となる子どもの口座へ拠出します。民間からの寄付が集まった場合だけ1000ドルを受け取れる仕組みではありません。
州や非営利団体による拠出
州政府、地方自治体、先住民政府、米国政府、一定の非営利団体は、地域、生年月日などの条件で定められた対象集団に対し、追加拠出を行える仕組みがあります。
対象集団への拠出は、すべての口座に同額が入るとは限りません。寄付者が指定する条件、適用法令、米国財務省の手続きに基づいて配分されます。
株式による大口寄付
米国財務省は2026年7月、一定の大規模な社会貢献目的の寄付について、売買可能な上場株式を受け入れる手続きを公表しました。受け入れた株式は、寄付者の指示と制度上の条件に従い、対象となる子どもの口座への拠出に利用されます。
トランプ口座のメリット
- 対象者は1000ドルから開始できる
親が同額を用意しなくても、対象となる子どもは政府拠出を運用できます。 - 長期間の運用が可能
幼少期から18歳になる年まで、株式指数を通じた長期運用を行えます。 - 低コスト商品に限定される
成長期間中は、一定の費用基準を満たす指数連動型商品が使われます。 - 子どもの所得がなくても拠出できる
一般的なIRAと異なり、成長期間中は子どもに勤労所得がなくても親などが入金できます。 - 勤務先や団体も参加できる
家庭の拠出だけでなく、勤務先、自治体、非営利団体などから資金が入る場合があります。
トランプ口座のデメリットと注意点
- 元本保証ではない
株価が下落すると、政府拠出を含めた口座残高が減少する可能性があります。 - 米国株への投資が中心
成長期間中は全世界株や預金などへ自由に変更できず、米国市場の影響を受けます。 - 18歳前は原則として引き出せない
教育費などが必要になっても、成長期間中は自由に払い出せません。 - 税金が完全に免除されるとは限らない
18歳以降の引き出しでは、Traditional IRAの課税や追加税が関係します。 - 追加資金によって差が広がる可能性がある
政府拠出は同額でも、家庭や勤務先などから入る金額は子どもごとに異なります。
18歳になれば全額を無税で自由に使えるとは限りません。進学、住宅購入、起業で扱いがどう違うのかは次のページへ。


