「ST指数とは何を表す数字なのか」「シンガポール株を見るときに、どのように使えばよいのか」と疑問に感じることもあるでしょう。本記事では、「ST指数」をシンガポール株式市場の代表的な株価指数であるStraits Times Index(ストレーツ・タイムズ指数、略称STI)として解説します。指数の意味や計算方法、構成銘柄の考え方、チャートの見方、投資に利用する際の注意点まで、初めて触れる方にも理解しやすいよう整理しました。
この記事の目次
- ST指数とは何か、どのような意味があるのか
- ST指数の構成銘柄と計算方法
- ST指数チャートの基本的な見方
- ST指数を投資判断に活用するときのポイント
- ETFなどを通じてST指数に連動する運用を考える際の注意点
ST指数とは?シンガポール株式市場を映す代表的な指数
ST指数(STI:Straits Times Index)は、シンガポール株式市場を代表する株価指数です。FTSE Russellの公式ルールでは、一定の条件を満たしたシンガポール市場の企業から30社で構成されています。
STIは、FTSE Russell、SPH Media、SGX Group(シンガポール取引所)に関係するシンガポール市場の主要指数であり、FTSE Russellが指数管理者を務めています。指数の歴史は1966年までさかのぼり、現在ではシンガポール株式市場を見る際の主要なベンチマークとして利用されています。
日本株で市場全体の方向を見るために日経平均株価やTOPIXが用いられるように、シンガポール市場ではSTIが市場動向を知るための重要な指標の一つになっています。
ST指数 意味:数字が上がる・下がると何がわかる?
ST指数の意味を簡単に表現すると、「シンガポールを代表する主要企業の株価動向をまとめて示した数字」です。
構成企業の株価が全体として上昇すればSTIも上昇しやすくなり、反対に株価が全体として下落すればSTIも低下しやすくなります。ただし、30社の株価を単純に平均しているわけではありません。
STIは時価総額を基本とする指数であり、実際の指数計算では市場で投資可能な株式の割合であるフリーフロートも反映されます。そのため、指数への影響力はすべての企業で同じではありません。
ST指数が上昇していても「全銘柄が上昇」とは限らない
ここはST指数を見るうえで重要なポイントです。指数が上昇していても、構成する30社すべての株価が上がっているとは限りません。指数への影響が比較的大きい企業の株価上昇によって、ほかの複数銘柄が下落していても指数全体ではプラスになる場合があります。
したがって、ST指数だけを見るのではなく、必要に応じて構成銘柄や業種別の動きも確認すると、市場の状況をより立体的に把握できます。
ST指数 株:どのような企業が構成銘柄になる?
STIは単純に「シンガポール企業なら何でも入れる指数」ではありません。公式ルールでは、STIの構成銘柄はFTSE ST All-Share Indexの構成銘柄から選ばれ、SGX Mainboardに上場する適格企業が対象です。
さらに、時価総額だけでなく、フリーフロートや流動性などの基準があります。2026年5月版のSTI Ground Rulesでは、原則としてフリーフロートが15%以下の企業は指数から除外されるルールも明記されています。
構成銘柄はずっと同じではない
STIには定期的な見直しがあります。現在のルールでは、3月と9月に半期ベースのレビューを行い、6月と12月にも四半期レビューが行われます。
定期レビューでは、適格銘柄を完全時価総額で順位付けし、一定のルールに従って入れ替えが判断されます。たとえば現在のGround Rulesでは、非構成企業が20位以上に上昇すると組み入れ対象となり、既存の構成企業が41位以下になると除外対象になります。こうした「バッファー」を設けることで、わずかな順位変動によって銘柄が頻繁に入れ替わることを抑える仕組みです。
なお、2026年6月に発表された四半期レビューではSTIの構成銘柄に変更はなく、次回レビューは2026年9月とされています。
ST指数 計算:指数はどうやって算出される?
ST指数の計算を理解すると、「なぜ特定の大型株が動くと指数も大きく動くのか」がわかりやすくなります。
FTSE Russellが公表している計算式を簡略化すると、考え方は次のようになります。
STI = Σ(株価 × 為替レート × 指数計算に使用する発行株式数 × 投資可能比率)÷ 除数
公式資料では、株価を「p」、必要な為替レートを「e」、指数計算に使用する株式数を「s」、投資可能比率を示す係数を「f」、除数を「d」として計算します。STIの基準通貨はシンガポールドルです。
「除数」がある理由
株式市場では、増資、株式分割、企業再編などが発生します。もし単純に時価総額だけで指数を計算すると、企業価値そのものとは関係のない株式数の変化によって指数が不自然に動いてしまうことがあります。
そこで指数計算では「除数」を調整し、構成企業の発行株式数などが変化しても指数の連続性が不必要に損なわれないようにしています。
ST指数の計算方法を理解するときは、「30社の株価を足して30で割る指数ではない」と覚えておくとよいでしょう。
数字の意味がわかったら、次に重要なのはチャートから何を読み取るかです。短期の上げ下げだけを見てしまうと、市場の流れを誤って解釈することがあります。




