デジタル証券とは?仕組み・銘柄・メリット・税金・取扱証券会社をわかりやすく解説

デジタル証券の銘柄を選ぶポイント

1.法的な商品構造

最初に、何の権利をデジタル化した商品なのかを確認します。

  • 特定受益証券発行信託の受益証券
  • 匿名組合出資持分
  • 社債
  • 投資ファンドの持分

商品構造は、税金、投資者保護基金、損益通算、倒産時の権利関係などへ影響します。

2.裏付け資産

不動産STでは、物件名だけでなく次の項目を確認します。

  • 所在地と周辺の賃貸需要
  • 物件の築年数
  • 入居率と主要テナント
  • 賃貸借契約の期間
  • 修繕計画
  • 災害リスク
  • 不動産鑑定評価額
  • 取得価格と想定売却価格

3.借入割合

ファンドが借入金を利用すると、少ない出資金で大きな資産を運用できますが、不動産価格が下落した場合は投資家の損失が拡大しやすくなります。

借入金の金利上昇によって、分配できる利益が減少する可能性もあります。

4.運用期間と途中売却

運用期間が3年でも、早期償還や延長の条件が設けられている場合があります。

  • いつから売却注文を出せるか
  • 売買停止期間はあるか
  • 売却手数料はいくらか
  • 価格はどのように決まるか
  • 買い手がいない場合はどうなるか
  • 運用期間を延長できる条件は何か

5.想定利回りの前提

想定利回りを見るときは、次の点を確認します。

  • 税引前か税引後か
  • ファンド内の費用を控除した後か
  • 不動産売却益を含むか
  • 特典の金額を利回りへ含めていないか
  • 運用期間中ずっと同じ分配を想定しているか

想定利回りは、定期預金の金利のように確定したものではありません。

デジタル証券の税金

デジタル証券の税金は、「デジタル」という技術ではなく、デジタル化された権利の法的な種類によって決まります。

すべてのデジタル証券へ同じ税率や確定申告方法が適用されるわけではありません。

受益証券発行信託を利用する不動産ST

一定の不動産STは、税務上「上場株式等」に含まれる商品として取り扱われる場合があります。

個人の分配金や譲渡益には、一般に所得税、復興特別所得税、住民税を合わせた20.315%が適用される商品があります。

特定口座に対応する商品では、源泉徴収ありを選ぶと、原則として証券会社が税額を計算して納付します。

他社口座との損益通算や、譲渡損失の3年間の繰越控除を利用する場合は、確定申告が必要です。

匿名組合出資持分を利用するrengaの商品

rengaの匿名組合出資持分型商品では、個人が受け取る利益分配は雑所得として総合課税の対象となり、20.42%が源泉徴収されます。

rengaの公式FAQでは、利益分配について自身で確定申告を行う必要があると案内されています。

出資金の払戻しに相当する部分は、利益ではないため、源泉徴収や確定申告の対象にならない場合があります。

匿名組合出資持分を途中で売却した場合や、契約終了時に償還差益が発生した場合は、所得区分が異なることがあります。

社債ST

社債をデジタル化した商品では、利金や売却損益について、一般的な特定公社債に準じた取扱いとなる場合があります。

特定口座への対応、源泉徴収、損益通算の範囲は商品と証券会社によって異なります。

2026年の税務情報を確認する

2026年4月以降、一部の特定受益証券発行信託型不動産STでは、利益超過分配に含まれる元本払戻しの課税上の取扱いが変更されています。

前年の分配金資料や一般的な解説だけを利用せず、保有銘柄の2026年版の税務案内、年間取引報告書、分配金計算書を確認してください。

確定申告が必要になる主なケース

  • 一般口座で売却益が発生した
  • 特定口座の源泉徴収なしを利用している
  • 匿名組合型商品の利益分配を受け取った
  • 複数の証券会社の利益と損失を通算する
  • 譲渡損失を翌年以降へ繰り越す
  • 海外居住や法人など通常と異なる条件がある

特定口座の源泉徴収ありでも、損益通算や損失繰越を利用するために確定申告を行った方が有利になる場合があります。

税務上の取扱いは、居住地、所得、保有商品の構造によって異なります。証券会社が交付する書類を基に、税務署または税理士へ確認してください。

デジタル証券と不動産クラウドファンディングの違い

どちらも複数の投資家から資金を集め、不動産へ投資する商品がありますが、法的な仕組みや流通方法が異なります。

比較項目 不動産デジタル証券 一般的な不動産クラウドファンディング
主な規制 金融商品取引法 不動産特定共同事業法または金融商品取引法
権利の管理 ブロックチェーンなどの電子帳簿 事業者の会員システムや契約書など
募集資料 目論見書・有価証券届出書などがある商品も多い 契約成立前書面など
二次流通 投資家間売買やPTSを利用できる商品がある 原則として途中解約できない商品が多い
税金 商品構造により申告分離課税または総合課税 利益分配は雑所得・総合課税となる商品が多い
運用期間 数年程度の商品が多い 数カ月から数年まで幅広い

不動産クラウドファンディングでも匿名組合を利用する場合があり、デジタル証券でも匿名組合型の商品があります。そのため、名称だけでは明確に区別できない場合があります。

ブロックチェーンを利用しているかだけでなく、権利の種類、開示書類、売却方法、税務上の扱いを比較してください。

デジタル証券シンポジウムとは?

東京都は、デジタル証券の普及促進を目的として東京都デジタル証券シンポジウム2026を開催しました。

項目 概要
開催日 2026年3月5日
会場 Tokyo Innovation Base
主催 東京都産業労働局
主なテーマ デジタル証券市場、資産の多様化、デジタル通貨など

証券会社、運用会社、システム会社、法律事務所などの関係者が登壇し、国内市場の課題や今後の活用方法について議論しました。

デジタル証券フォーラムとは?

日本経済新聞社とN.Avenueは、デジタル証券市場を扱うイベント「デジタル証券フォーラム」を開催しています。

2025年12月2日には「デジタル証券フォーラム2025」が開催され、セキュリティトークン市場の拡大、商品の多様化、流通市場、ステーブルコインなどが議題となりました。

2026年7月21日時点では、次回開催の日時や会場が確定しているとは限りません。参加を検討する場合は、日本経済新聞社のセミナーページや主催者の告知で最新日程を確認してください。

デジタル証券で避けたい判断

想定利回りだけで選ぶ

利回りが高い理由として、物件の収益変動、借入割合、売却価格、運営リスクなどが高い可能性があります。

不動産だから価格が下がらないと考える

不動産価格は、景気、金利、地域の人口、建物の劣化、災害などによって変動します。

デジタルだからいつでも売れると考える

電子的に権利を移転できても、買い手がいなければ取引は成立しません。

暗号資産と同じ税金だと考える

デジタル証券は有価証券であり、課税関係は裏付けとなる権利の種類によって決まります。

運営会社の知名度だけで選ぶ

大手企業が関係する商品でも、元本や分配金が保証されるわけではありません。投資対象、借入、手数料、売却条件を銘柄ごとに確認する必要があります。

デジタル証券を購入する前のチェックリスト

  • 販売会社は金融庁へ登録されているか
  • 商品は何の権利をデジタル化したものか
  • 裏付け資産の所在地と内容は明確か
  • 想定利回りはどの費用を控除した数字か
  • 分配金の減少・停止条件は何か
  • 借入金はいくら利用しているか
  • 運用期間の延長条件はあるか
  • 途中売却の方法と手数料は何か
  • 買い手がいない場合はどうなるか
  • 税金は申告分離課税か総合課税か
  • 特定口座へ対応しているか
  • 投資者保護基金の対象か

まとめ:デジタル証券は仕組みと税金を銘柄ごとに確認する

デジタル証券とは、株式、社債、ファンド持分などの有価証券に関する権利を、ブロックチェーンなどの電子帳簿で管理・移転できるようにした金融商品です。

大型不動産やプライベート資産を小口化できること、電子的に権利を管理できること、商品によっては二次流通を設けられることが主な特徴です。

一方、元本割れ、分配金減少、売却できないリスク、システム障害、複雑な手数料などの注意点があります。「デジタル」という名称だけで安全性や流動性が高いと判断することはできません。

デジタル証券株式会社は、山本浩平氏が代表を務め、個人向けサービスrengaを運営しています。2026年3月にはSBIホールディングスと資本業務提携し、SBIグループの持分法適用会社になることが公表されました。

三井物産グループでは、三井物産デジタル・アセットマネジメントがALTERNAを展開しています。SBI証券、野村證券、大和証券などもデジタル証券の取扱実績があります。

税金は商品構造によって大きく異なります。特定受益証券発行信託型では上場株式等に近い申告分離課税となる商品がある一方、rengaの匿名組合型商品では利益分配が雑所得・総合課税となります。

購入前には、目論見書、契約締結前交付書面、有価証券届出書などを確認し、余裕資金で保有できる運用期間か、途中売却が成立しなくても生活へ影響しないかを判断することが重要です。

本記事は一般的な金融・投資教育を目的としたものであり、特定のデジタル証券、セキュリティトークン、運営会社、証券会社その他の金融商品の取得、売却、保有を推奨するものではありません。デジタル証券は元本保証ではなく、不動産価格、金利、信用、流動性、システムなどの影響により損失が生じる可能性があります。税制、取扱銘柄、証券会社、売買方法は変更される場合があるため、実際の取引前に最新の目論見書、契約書面、公式情報をご確認ください。

<参考サイト>
金融庁 / e-Gov法令検索 / 国税庁 / 一般社団法人日本STO協会 / 一般社団法人日本セキュリティトークン協会 / 大阪デジタルエクスチェンジ / デジタル証券株式会社 / デジタル証券renga / SBIホールディングス / SBI証券 / 三井物産 / 三井物産デジタル・アセットマネジメント / ALTERNA / 野村證券 / 東京都 / 日本経済新聞社 / N.Avenue